銅版画の名刷師ドラートルの世界

2012年12月6日(木)〜2013年1月27日(日)


 前回はイギリスで活躍した木版画の名摺師漆原由次郎を紹介しましたが、今回は19世紀後半から20世紀初頭にかけてフランスで活躍した銅版画の名刷師オーギュスト・ドラートルを紹介いたします。

 ドラートルは1822年パリ生まれ。シャルル・ジャックとの出会いが彼の人生を決定づけることになります。ジャックはこの卓越した技量をもつ若い刷師にデッサンや銅版画の技法を伝授した。1843年ジャックを保証人として刷り工房を設立。独立したドラートルの工房には名人の噂を耳にした作家達ブラックモン、メリヨン、フラメング、ホイッスラー、ヘイドン等が訪れ、銅版画の新しい表現を探求する芸術家達の溜まり場となってゆきました。やがて1862年の腐蝕銅版画家協会の設立へと結実、19世紀後半の銅版画のルネッサンスへとつながってゆくのです。
 ドラートルの刷りは依頼した作家の想像以上に作品の表現力を高め、深い味わいのある画面を創造しました。刷りの調子が作品毎に異なる版画が「印刷物」でなく1枚1枚が独立した「美術」であることを世に問う形となりました。しかし高度な摺りで思惑を超えた作品の出来ばえに異を唱える者が現われ、やがて彼らの苦言がドラートルの名を歴史から消していくことになってしまうのです。この不出世の刷師は1907年終生愛したモンマルトルの地で85年の生涯を閉じました。

 ドラートルが手がけた銅版画の名作の数々を約20点展示・紹介いたします。ご観覧下さい。


★ 更に詳しく知りたい方は、《ドラートル》 もご覧ください。





船内のアトリエ  ¾¾ もぐら
ドービニー,フランソワ 「船内のアトリエ」
1861年 10.0cm×13.4cm デルティユ8−111
横浜美術館所蔵(小島烏水コレクション)
町田市立国際版画美術館所蔵

ブラックモン 「もぐら」
1854年 25.0cm×19.0cm
国立西洋美術館所蔵


堕落(イブ)  ¾¾ ブルージュ トワル通り
ロップス・フェリシアン 「堕落(イブ)」
1888年 16.0cm×10.5cm

メリオン・シャルル
パリの銅版画より 「ブルージュ トワル通り」
1853年 20.5cm×11.2cm
デルテイユU−55 最終第7ステート


  ポン・ヌフとネールの塔  ¾¾ 羊小屋
カロ・ジャック 「 ポン・ヌフとネールの塔 」
1868年 15.5cm×34.4cm
国立西洋美術館所蔵

ジャック,シャルル・エミール 「羊小屋」
1865年 10.9cm×16.3cm
国立パリ図書館所蔵、サンフランシスコ美術館所蔵





 他の作品は、《作品検索&販売》でご覧ください。




茜画廊
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